JGC修行をしていると、FOP加算状況にもよりますが、途中でJMBクリスタルの資格を獲得することになるケースが多いかと思います。
でも、JMBクリスタルのメリットっていったい……???
単なる通過点と考えられがちなJMBクリスタルの意義、そしてJGCとJMBの関係性についても再確認してみました。
嬉しいけど、よくわかってなかった
年後半の修行には台風による欠航のリスクがつきまといますが、ヒヤヒヤしながらもまあなんとか台風の合間を縫うような形で当初予定通りにフライトをこなすことができています。(有り難いことです……)
GWにフィリピンのエルニドへ家族旅行していたので、修行をスタートする前の段階で東京ーマニラ間の1,810FOP(FLY ON POINT)が往復で3,620FOP、加えてJALカード特典の各年初回搭乗ボーナスの5,000FOPが修行スタート時点で貯まっていました。
そこへ7月にクアラルンプールまで2回往復したことにより、26,068FOPが加算されたので……
3,620 + 5,000 + 26,068 = 34,688FOP
JGC(JALグローバルクラブ)入会条件の50,000FOPには届きませんが、JMB(JALマイレージバンク)のステイタスであるJMBクリスタル資格獲得条件の「暦年で30,000FOP(うちJALグループ便15,000FOP)以上、または搭乗30回以上(うちJALグループ便15回以上)かつ10,000FOP」はクリアしていることに。
……で、8月1日にJGCクリスタルのカードが届きました!
なんか素直に嬉しい♪♪♪(´∀`*)
だけど、正直なところ、JMBクリスタルの資格を得るとどんないいことがあるのか?よくわかりませんでした……。
JMBクリスタルのメリットには、具体的にどんなものがあるのでしょうか?
クリスタルではJGCに入会できない
ご存知のとおり、JMBステイタスホルダーであれば、ワンワールドアライアンスの同等エリートステイタス向け特典も享受できます。
たとえば、JMBクリスタルはワンワールドのステイタスでいうとルビーと同等なので、ワンワールドルビー相当とみなされて相応の特典も受けられるわけです。
それではJMBとJGCの違いって何?となったとき、おそらくもっとも本質的な差は「期限付きか無期限か」という点ではないでしょうか。
JMBステイタスは達成の翌々年3月まで有効と決められていて、それ以降もそのまま維持したければ継続してFOPを獲得(つまりたくさん搭乗)しなくてはなりません。
その一方でJGCのステイタスは、年会費を支払ってクレジットカードを更新し続ける限り、無期限。
↑2021年度より更新ルールが厳しくなるのは、海外地区会員のみとのことです。日本国内在住の日本地区会員については従来ルールに変更なしとのこと。お詫びして訂正します。
一度資格を得れば恒久的に維持できる、言い方は良くないですが「お金でステイタス権利を買える」体制が整うということです。
だからこそ修行僧はJMBではなくその先にあるJGCを狙うわけですが、そのJGC入会資格は(クリスタルのひとつ上のランクの)サファイア以上を達成して初めて得られるもの。
……そう、クリスタルでは一歩及ばずでJGC入会資格には届かないのです。
紛らわしいですよね。混乱しちゃう(´ε`;)
クリスタル特典はひとり旅向き!?
最下位とはいえステイタスはステイタス。
JMBクリスタルにもそれなりの特典はもちろんあります。
ただ…… 少ないんですよね。
他のステイタスと比べていかにも見劣りがするといわざるを得ません。
たとえば、ワンワールド側の特典としては下表のような感じ。
ピンクの矢印をつけた2つに限られます。
JMBとしての特典はもう少しありますが、めぼしいものを挙げると……
- JAL国際線の前方座席を優先して指定可能
- JAL国内線の出発前に利用できるラウンジクーポンを1,000マイル(2019.11時点)で入手可能
- JAL国際線搭乗時の優先搭乗
- JALグループ国内線クラスJ利用時に預け入れ荷物を優先的に引き渡し
でもばん子的にはその辺りは「あってもなくても」なので、ここでは取り上げていません(^_^;)
全特典についてはJAL公式サイトでご確認を……!
JAL国際線の前方座席指定(通常は出発直前までシートマップ上で選択不可となっている座席が開放される)については、同行者と隣席を希望する場合は電話で問い合わせるようにと補足があるので、状況にもよるでしょうがステイタス会員ではない同行者と並んで座ることも無理ではなさそうです。
が、しかし、上記に挙げた特典のうちの2番目以降は明確に「JMBクリスタル資格を持つ本人のみ」利用可能となっています。
うーん…… でもねー、グループ旅行などで自分一人の荷物だけ先に出てきても仕方ありませんし、家族旅行で自分だけ先に搭乗するというのもあまり意味なさそうな……。
上記では挙げていない「国内線クラスJ利用時はJGCカウンター利用可能」という特典に限っては同行者1名もOKとのことですが、他は基本的に本人だけが利用可能。
出張での利用が多いような人にとってはそれなりに使える内容かもしれませんが、複数人での旅行が主という人にとってJMBクリスタル特典は使い勝手の面で微妙かもしれません。
貯めやすさはそれなりに
空港で受けられるサービスの面ではなんとも中途半端な印象のあるJMBクリスタル特典ですが、マイルやFOPに関連する優遇はそれなりに納得できる内容と感じる人が多いのではないでしょうか。
- JALグループ便他にマイル積算対象運賃で搭乗するとボーナスマイル付与
同特典のボーナスマイル積算率は次の通り;
・JALグループ便:55%
・アメリカン航空便:55%
・ブリティッシュ・エアウェイズ便:25%
・イベリア航空便:25%
また、次の2つは特典として規定されているのではなくあくまでキャンペーン扱いですので、今後も継続されるとは限りませんが、これまでのところ毎年継続中。
- JAL国際線アップグレード特典利用時にマイルの一部を返還
- 事前に指定した1ヶ月間中にJALグループ国内線にマイル積算対象運賃で搭乗するとFOP2倍付与
たとえ最下位のクリスタルとはいえJMBステイタスを獲得することの具体的なメリットとしては、むしろこちらのマイルやFOPの貯まりやすさが挙げられそうです。
JGC入会後でもJMBクリスタル!?
JMBサファイアを達成して一度JGC会員となってしまえば、以降ステイタスのランクとしては自動的にJMBサファイア相当以上となります。
たとえその後飛行機にほとんど乗る機会がなくなりJMBステイタスの期限が切れてしまったとしても、JGC会員を継続する限りサファイア相当の資格が維持され、JMBクリスタルだけだった頃のランクに戻ることはありません。
(JMBステイタスは持っていないけどJGC会員は継続という場合、下表中の緑色のカードが付与されます)
つまり、JGC会員は常にJMBクリスタル向け特典を上回る特典を享受できますので、何もわざわざJMBクリスタル資格を重ねて獲得する必要性はないように思えますよね。
しかし厳密にいえば、JGC会員であってもなおJMBクリスタル(もしくはそれ以上)を狙うことはまったくの無意味ではありません。
JGC+JMBならボーナスマイルUP!
たとえば、前々項で挙げたボーナスマイル特典のボーナス積算率は、JMBクリスタルの場合は最大55%、JMBステイタスは期限切れでJGC会員を継続しているだけ(世間では「平JGC」と呼ぶようです)の場合は最大35%となっていて、どの航空会社の便かにより上下します。
これがJGCクリスタル会員(=JGC会員であると同時にJMBクリスタルも達成している人)の場合は、特定航空会社便の低めに抑えられているボーナス積算率が下記のようにアップします。
航空会社 | JMBクリスタル | 平JGC | JGCクリスタル |
☆ブリティッシュ・エアウェイズ ☆イベリア航空 |
25% | 35% | 50% |
ステイタスに応じてボーナスマイル積算率は変わるので、クリスタルよりも上位のステイタスであればなお良いですが、上を見たらきりがないわけで……。
パーセンテージは上位ステイタスに比べるといくらか低くはなりますが、JMBクリスタルを達成していれば、とにもかくにも単なる平JGCよりも多くボーナスマイルが付与されます。
限られた航空会社の便に搭乗時のボーナスマイル積算率を15%上げるためだけに、クリスタル達成に必要な30,000FOPを丸々稼ごうというのでは、言うまでもなく本末転倒。
ですが、もともとFOPがそれなりに貯まっていて(25,000FOPとか)かつクリスタル達成後も何度かヨーロッパ方面に行く予定があるといったようなケースであれば、マイルが割増されるメリットは少なくないでしょう。
ディズニーファン向けJMB特典
あるいは、ディズニーファンであれば東京ディズニーシーで「ビッグバンドビート」(←JALがスポンサー)の座席予約&ラウンジ「プレシアター」利用が可能という特典が魅力でしょうか。
[出典]JAL公式サイト
普通であれば抽選に運を賭けたり、先着枠に入るべく長時間列に並んだりといった苦労がつきもののアトラクションを、事前に予約できる上に公演開始時間まで専用ラウンジで寛げるのですから、悪くないですよね。
(ラウンジの利用は公演開始45分前から10分前までの30分ちょっとだけですが、他にも回りたいアトラクションはいっぱいあるでしょうから30分もゆっくりできれば十分?)
これはJMBステイタスホルダー限定の特典ですので、ただJGC会員であるというだけでは利用できず、きちんとFOPを積み上げて初めて得られるメリットです。
なお、JMB案内冊子には専用ラウンジ利用についてしか言及されていませんが、公式サイト上に「鑑賞時の座席も用意する」とありますので、肝心の座席が取れなかった!なんていう悲劇は起こりませんよ〜!安心♪
FOP2倍キャンペーンもJMB限定
また、FOPを効率的に貯める目的でJMBクリスタルを目指すというのも、戦略としてはあるでしょう。
JALグループ国内線搭乗時のFOPが指定した1ヶ月間だけ2倍になるキャンペーンは、さらなる高みであるJGCプレミアを目指してバンバンFOPを稼ぎたいという方などにとりとても嬉しいJMBステイタスホルダーならではのメリット。
JMBステイタス基準を達成してさえいればよいので、サファイア以上を目指す必要はなく、最下位ステイタスであるクリスタルで十分。
言い換えれば、FOP2倍キャンペーン参加の権利を得るためのもっとも経済的なルートがクリスタル達成ということになります。
注目すべきは、事前指定できるのが資格達成年の翌年度中のいずれかの月(←つまり4月〜翌年3月まで)であるという点。
この暦年と年度のズレを上手に利用すると、たとえば2019年に修行してJGC会員となってその翌々年の2021年3月をFOP2倍月に指定した場合、さらに修行翌年の2020年にもJMBクリスタル資格を達成すると2021年4月もFOP2倍月として指定可能となります。
結果として、1年のうちのFOP2倍となる期間が2ヶ月間に延びることに!
このメリットをフル活用すれば、FOPの積算ペースはかなり上がり、通常求められるよりもはるかに少ない費用・時間・労力でJGCプレミア達成が可能となることでしょう。
とはいえ、翌年度以降の特定の1ヶ月間のFOPを2倍にするためだけに搭乗を重ねるくらいなら、その年のうちにもう少し頑張ってさっさとJGCプレミア達成するほうがずっと効率的かつ経済的なことがほとんどのはず。
ですから、これは出張などで既にFOPがほどほど貯まっていて、あともう少しでクリスタルに届くという状況で有効な策(というか、そうでなければナンセンスな策)といえます。
ただし、このFOP2倍というのはあくまでキャンペーンですので、2020年以降もこのキャンペーンがこれまで同様に継続されればという条件付きですが……。
特定の条件下でクリスタル狙いはあり
以上をまとめると、もっぱらJGC修行の通過点としてしか認識されないことも多い(と思う)JMBクリスタルですが、特定の条件下であれば敢えて達成を目指す意味はありそうです。
具体的には、
①既にFOPがある程度貯まっている
②ディズニー特典をプライスレスと感じる
などです。
こういった特典ルールは年々変わっていきますので(悲しいかな、多くの場合は改悪ですが)、そうした動きに注視しながらメリットを最大限享受できる方法を考えるのもまたひとつの楽しみといえるかもしれませんね。